
僕が天使になった理由【kgf_0010】
山と海に囲まれた異国情緒豊かな港町、伊乃郷市。山頂の教会が見守るこの街で、少年と少女は出会った。少年の名は桐ノ小島巴。恋も幸せも信じず、孤独を貫く少年。少女の名はアイネ。愛を唄い、幸せをもたらす為に生れた……天使。桐ノ小島巴の人生は、他人の目にはおそらくとてもつまらないものに見えていただろう。友達は作らない、彼女なんてもちろんいない。趣味らしい趣味もない。寝て起きて登校して帰って寝る。ただただ平凡なルーチンを繰り返すだけの日々。そんな彼の平穏な生活は天使の登場によって終りを告げた。「天使」。人々の恋の護り手。「赤い糸」を紡ぎ、奏でる者。目の前を通り過ぎていく「恋」という現象に込められた様々な思い、そして様々な幸せの形。それは、幸せというものの本当の意味を探す旅。そしてその果てに、彼は歩み続けた理由を見つけ出す。 ▼もっとみる